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島の「生活」を訪ねてー宇久島の未来をつくるプロジェクトー

レポート

3710Labと海風舎の共同プロジェクト「宇久島の未来をつくるプロジェクト」。
8月1日から2日間かけて宇久島を取材しました。今回はその取材の様子をレポートいたします。

8月1日(取材1日目)

午前、高校生たちと合流して1か所目の取材先へ移動します。高校は夏季休業中。大学受験を控えているメンバーは雲仙へ合宿に行っているため残念ながら不参加です。

まずはかんころもちの取材です。

かんころとはサツマイモを乾燥させたものです。かんころを干す風景は寒い季節の島の風物詩です。昨冬に干されたこのかんころを使ってかんころもちを作ります。

作業風景を写真に収めます。当日は猛暑日を記録した佐世保市ですが、宇久島に吹き付ける風のおかげで島では本土と比べて気温は3℃ほど低めです。それでも真夏の作業はとても大変そうでした。

実際に作業を体験します。

「かんころもちつくったことある?」

「ないです。食べたことなら飽きるほどあります。」

身近にありながら実は知らないこと、経験したことがないことが浮き彫りになるのがこの企画の面白みの一つです。

かんころもちの成形作業。時間が経つと固くなってしまうので手早く作り上げます。

「何個くらい作れば上手くできるようになりますか?」
「一個作ればできるようになるよ。商売人の意気込みで作ればね。」

お土産にかんころもちを沢山いただき、工房をあとにしました。

宇久小値賀漁業協同組合宇久支所に移動して、支所長さんにインタビューです。

「チカサキっていうブランド魚があるんですが」

「どういう漢字で書くんですか?」

情報を正確に伝えるために細かく確認します。

屋外に移動してポートレートを撮ります。

「逆光ってどっちですか?」

「向こうだね。こちら側に影ができてるから。」

みなさん将来はぜひ漁師になってください、というエールをいただきながら漁協をあとにしました。

午後は、宇久島の鯨文化についての取材です。

暑いので、冷房の効いたフェリーターミナルの中で用意していただいたダイジェスト版の資料で予習をします。

山田茂兵衛、山田紋九郎、七十二人様、鯨組、海士といった名称をまずは確認していきます。

その後、外でフィールドワークです。炎天下にもかかわらず島内各所をガイドしていただきました。

神社の石灯篭の形や墓地にある供養塔などを見てまわりました。ふるさとに根付く生活文化と先人たちの想いに触れる機会になったようです。

撮れ高もたくさんあった一日目でした。


8月2日(取材2日目)

取材2日目がスタート。

午前中はかんころもちについてインタビューです。取材にも慣れてきたのか質問したいことも徐々に増えてきました。

その後、『島へ。』熊本鷹一さんによる編集会議をおこないました。各ページのテキストの文字数の割付けをおこないました。みんな文章をあまり書きたくないと言いながらも、伝えたいことを整理していくと結構な文字数になりそうなことが判明しました。

「まずは文字数を気にしないで書いてください。そのときは頑張って文章にしようとしなくていいよ。箇条書きでもいいから、とりあえず書いてみてください。」

熊本さんは『島へ。』で用いられている文章の構成例を挙げながら、取材したことの整理の仕方を示していきます。それから各メンバーの伝えたいことをどう盛り込むかを一緒に考えます。

「記事のテーマとして何をメインで扱うのかを念頭に置いて構成を組み立てましょう。写真を大きく扱いたいのであれば、テキストをどのように対応させていくかも一緒に考えること。一方でインスタ映えのページは、テキストで写真の被写体や風景を説明していくことになるけど、逆に写っていない部分の説明をしてもいいしね。」

午後は、宇久島神社へ移動して宇久神楽を取材します。宇久神楽は宇久島流と神島流の2系統があります。その各流派の普及・伝承をおこなっているお二方にインタビューします。

2016年、五島神楽という7種の神楽が国の重要無形民俗文化財に指定されました。宇久神楽は7種の五島神楽のうちの1種に位置づけられます。7種の神楽のうち伝承が途絶えていた宇久神楽の復活を文化庁審査官から助言されたことから、2系統の神楽の担い手が文化財指定を目指して力を合わせ、宇久神楽を復活させました。

かつて神楽を舞った記憶とともに、明治期の史料を参照しながら復活させたそうです。その貴重な資料の数々を見せていただきました。

対馬瀬灯台に移動します。インスタ映えするスポットを紹介していくページ用に写真を撮ります。

インスタ映えというだけあって写真の出来栄えが重要です。アングルを変えたりして何パターンもどんどん撮っていきます。

取材中は2日間ともに天気がよく、撮影日和でした。

こうして高校生たちの取材は終了しました。この後、各メンバーは記事作成に向けて、執筆に取りかかりました。次回は、雑誌完成を前に再度の編集作業をした様子をレポートします。

CREDIT

取材・文
北 悟