お知らせ

「ヒューゴローザザーン 雷がよぶ魚」紙芝居+楽器完成のお知らせ

2026.09.04

ワークショップ学校海洋教育海洋環境デザイン

みなとラボは、海と私たちの暮らしのつながりを深める新しい教材セット「ヒューゴローザザーン 雷がよぶ魚」(紙芝居+4つの楽器)を日本財団の助成を受けて制作しました。

海沿いの地域だけでなく、内陸部を含む全国の学校や社会教育施設(図書館・児童館・博物館など)に向けて、教材の貸し出しを開始します。あわせて、出張ワークショップのご相談も受け付けています。

プロジェクトのはじまり

現代の暮らしの中で、私たちは海から多くの恩恵を受けているにもかかわらず、その存在を遠く感じてしまいがちです。この「海とのつながりが見えなくなっている状況(オーシャン・ブラインドネス)」を乗り越えるために、何ができるだろう?——そんな問いから、このプロジェクトはスタートしました。

制作にあたってパートナーに迎えたのは、フランスを拠点に活動するデザイナーのイザベル・ダエロンさん、イザベルさんが率いるデザインスタジオ「Studio Idaë」、そして編集者の永井佳子さんです。

撮影:みなとラボ

リサーチの舞台に選んだのは秋田県。変化に富んだ山々、恵みを運ぶ大きな河川、そして海が織りなす豊かな自然があり、そこに根ざした独自の文化が息づく地域です。海から離れた内陸部を流れる「雄物川」を起点に、海と暮らしがどう結びついているかを探るリサーチを行いました。

制作チームは2024年6月に田植えの季節の大仙市と、2025年2月にハタハタ漁で活気づく冬の男鹿半島の2回、秋田を訪れました。

地域に立つ「人形道祖神」や、子どもたちが健やかな成長を願って人形を作る「鹿島流し」といった伝統行事を取材。さらに、地元の高校生、民話の専門家、川港の歴史に詳しい方々、神社のお祓いを行う宮司さん、ハタハタの漁師や水産関係者など、多様な人々へのインタビューを重ねました。

そこで見えてきたのは、漁業や川を中心とした信仰、ハタハタを通じた食文化など、山・川・海が人々の日々の営みによって深く結ばれている姿でした。

この目に見えない「自然と人の巡り」を分かりやすく伝えるため、言葉だけでなく、風・波・雨・雷の音を体験できる「紙芝居と楽器」という表現装置をつくることになりました。

紙芝居の物語ー地球の循環からハタハタの一年を描く

紙芝居は、地球を覆う海や大気のダイナミックな動きが、秋田の季節にどのような変化をもたらすかという視点から始まります。秋田の県魚である「ハタハタ」の一年を通した生態を描きながら、自然の巡りを伝えます。 秋田の自然をベースにしながらも、読み手や聞き手が「自分たちの住む地域での、海とのつながり」に想像を広げて読み進めることができます。

伝統技法・素材で作られた「4つの自然の音を奏でる楽器」

左から「雨」「雷」「波」「風」

紙芝居のケースと楽器には、秋田杉や山桜、伝統の「曲げわっぱ」の技法、そして寒冷な冬に仕込まれる「十文字和紙」など、秋田ならではの素材と技法が使われています。 表現するのは「風」「波」「雨」「雷」の4つの音。物語に合わせてゴロゴロ、ザザーンと音を奏でることで、子どもも大人も一瞬で物語の世界へと引き込まれます。

どんな活用ができるのか

ただ紙芝居を聞くだけでなく、参加型の学びを生み出すことを目指しています。

  • 演じて・鳴らして体験する ー子どもたち自身が紙芝居を読んだり、場面に合わせて楽器を鳴らしたりすることで、五感を使って物語を深く理解できます。
  • ワークシートで「自分の身近な自然」を深掘りするー ワークシートを使い、物語のシーンと自分の地域の四季や暮らしの変化を比べながら、意見交換や探究学習ができます。

具体的な活用のアイデアや事例は、こちらの記事をご覧ください: https://3710lab.com/contents/10027/

貸し出し・出張ワークショップのご案内

本教材は、秋田県内はもちろん、全国の学校・教育施設へ貸し出しを行っています。海沿いのまちだけでなく、海から離れた内陸部に住む子どもたちにとっても、言葉と音、そして物語を通して「海」を感じられる機会を提供することを目指しています。

また、出張ワークショップのご相談も承っていますので、ご希望の方、詳細を知りたい方は、下記までお気軽にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

 みなとラボ(担当:ハウレット、田村)

メール:info※3710lab.com(※を@に変えてお送りください)

『 ヒューゴローザザーン -雷がよぶ魚- 』プロジェクト
発行日:2026年7月1日
企画・編集:一般社団法人3710Lab
構成・絵:イザベル・ダエロン
文:永井佳子
紙芝居ケース・楽器デザイン:スタジオ イダエ
紙芝居ケース製作:中野木工
楽器製作:中野木工、柴田慶信商店(曲げわっぱ)、十文字和紙愛好会(十文字和紙)

協力:秋田県立大曲高等学校、秋田県立増田高等学校、秋田水産振興センター、秋田木工株式会社、伊豆山神社、 男鹿水族館GAO、株式会社角間川、郷土史研究 小松和彦、ぜん吉商店、大仙市立大曲小学校、大仙民話の会、だいせんLabo、塚本技術士事務所、土崎みなと歴史伝承館、ハタハタ漁師 西方強(五十音順)

この活動は日本財団の助成により実施しています。

撮影:山本康平