レポート
海と聞いて想像する、白い砂浜や波打ち際、釣り糸を垂れる岩場や桟橋、マリンスポーツで楽しむ沖合や漁船が浮かぶ沿岸。でも実はそれは海のほんの一部。
海を知る第一歩として、まずは身近な視点から海を捉え、リサーチやディスカッションを通して、見えてくる海について表現してみる。
デザインによる人間と自然・海洋環境との望ましい関係構築に思いがあるデザイナーが参加。
人にとって身近な視点から海を捉え直し、わかりやすくダイアグラム化することで、海の理解を深め、多くの人が海を知る機会を創出する。
また、さらに海を捉え直し理解していくことで、海と人、海と暮らしのつながりを知り、その関係性を未来へつなげていくためのデザインを創出する。
第一回の目的は、“Understanding”。NAOTO FUKASAWA ATELIERに、デザイナーが集結した。宿題として出された「海を表すもの(イメージ)」について、それぞれの視点で捉えた「海」を表すものが持ち寄られた。塩、貝殻、カニの化石、真珠のアクセサリー、中にはペットとして飼っているヒトデまで、参加者が時折、海との思い出を交えながら幾つもの「海」が集まった。深澤直人氏からは、「デザインは何かの反応であること」「なぜ人は海に魅了されるのか」「課題を解決するためのデザインではなく、海が持つ“力”そのものをデザインに活かすことができないか」などのメッセージが話された。
第二回の目的は、“見た人が海に触れることができるものをつくり、経過を発表する”こと。
それぞれの得意分野を活かしたデザインが発表され、そこに対して深澤直人氏がコメントする形で進められた。
数ある視点から生み出されたデザインを見て、人間にとっての海のイメージが表出しはじめた。今後、最終成果物の制作に向けて、参加者は深澤直人の助言を得ながら制作を続ける。
深澤直人氏とともに、参加者それぞれが思い描いた「海」のデザインが完成。成果物を発表し、その「海」について話し合う。
成果物は、第二回 国際海洋環境デザイン会議で同時開催されるエキシビション「OCEAN BLINDNESSー私たちは海を知らない」にて展示される。
実施者 深澤直人
主催 みなとラボ
共催 THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION
助成 日本財団