レポート

新潟県佐渡市|佐渡総合高等学校

冊子『Everyday Sado』完成

2023年度成果報告

2024.03.20

学校海洋教育

みなとラボと2023年度新潟県立佐渡総合高校1年生98名が1年間かけ、冊子『Everyday Sado』を制作いたしました。働くことや暮らしについて、自分の目と耳で直接その声を聞き、文章と写真で記録していきました。本年度は、1〜数名でインタビューを行い、まとめていきました。本書には、高校生が出会った佐渡に暮らすさまざまな人々が記されています。これまで、同校では『佐渡に暮らす私は』(2020年度)、『あなたと出会った佐渡』(2022年度)という2冊の本を刊行しました。

授業の背景

本冊子は、佐渡総合高校1年生の授業「産業社会と⼈間」と「総合的な探究の時間」の授業を通して制作されました。これらの授業は、生徒たちが自分を見つめ、社会を知り、将来のビジョンを描くことを目指します。企業見学会や社会人講話などを通して、働くことについて考えます。

本企画は、働くことをさらに深めるために実施しています。生徒たちは、「働くこと」について事前学習をおこない、実際に佐渡で働く人々にアポイントをとり、インタビューをおこないました。あわせて、人に話を聞くことについての特別授業では、コミュニケーションについて考えを深めました。聞いた話を自分の中に落とし込むため、文章として表現することにも取り組んでいます。それらを冊子化し、外に開いていくことでさらなるコミュニケーションのきっかけを創出します。

思い

島で暮らす–––というとき、どんな暮らしを思い描くでしょうか。

本書は、佐渡で暮らす人の仕事について、98名の生徒がインタビューし、それぞれが見聞きして感じたことをそれぞれの言葉で記しました。

佐渡という島はさまざまな仕事に支えられています。それは暮らしのすぐそばで、ときに自分とも関わり、ときにまったく知らない間に誰かによっておこなわれています。そこにはたくさんの人の姿があるのです。特別なことではなく、一人ひとりが日々の暮らしを少しでも良くしようと働いています。その上で、佐渡という土地をより魅力的にしたいとも感じているのだと思います。ささやかだけど大きな願いを込め、それぞれが仕事にたずさわっているのです。

本冊子には、そんな真剣で楽しく生きる「佐渡に暮らす人々」に触れた生徒たちによる言葉を記録しています。未来に向けて前向きな感情が乗っている言葉もあれば、今はまだ想像がつかずに自分の中での収まりどころを見つけられていない言葉もあるでしょう。インタビューを通して出会った人々の仕事に対する姿勢を目の当たりにし、もらった「言葉」は、生徒自身がいよいよ働くというとき、ふと思い出すものになると思います。

本年度制作した冊子『Everyday Sado』は非売品となります。佐渡市内の施設を中心に設置されています。

撮影・執筆:
2023年度新潟県立佐渡総合高等学校1年生
制作サポート:
みなとラボ
デザイン:
近藤潤(スイカノタネ)
発行:
新潟県立佐渡総合高等学校
助成:
日本財団

非売品